がんと闘うためには、抗がん剤は強い味方になります。しかし、抗がん剤の副作用としてとても有名なものに、脱毛があります。テレビドラマなどでがんと闘っている患者さんの髪の毛が抜け落ちていくというシーンを見たことがありませんか?抗がん剤は非常に強い薬品なので、髪の毛にまで影響を及ぼしてしまうのです。今回は、がんと闘っている方の中で抗癌剤の抜け毛に関して悩んでいる方向けの頭皮のケアを紹介します。
目次
抗がん剤の使用で髪の毛が抜ける?
抗がん剤を使用している人の中でも、多くの人が悩んでるのは抜け毛です。抗がん剤を使用すると、髪の毛はどんどん抜け落ちていきますし、それに対してどうやって頭皮ケアをしていけばいいのかがわからない、と言う人も多いでしょう。普段通りのケアと同じことをしても、抜け毛は進んでいくばかりです。抗がん剤を使用している人は、まず抜け毛と向き合うことが必要です。その上でケアをして行きましょう。しかし、抗がん剤を使用しているからといって何か特別なことをしなければいけない、というわけでもありません。この記事では、抗がん剤を使用することによって髪の毛が抜けてしまうことを少しでも予防するための方法をご紹介します。
なぜ抗がん剤を使うと髪の毛が抜けるのか?
どうして抗がん剤を使用することで毛が抜けてしまうのでしょうか?抗がん剤の副作用の中で最も有名なものが脱毛だと思います。髪の毛が抜けてしまう理由は、抗癌剤の中に使われている。タキソールや、タキソテールという成分が原因だといわれています。毛根の細胞がこれらの成分によって細胞分裂をストップさせてしまい、抜け毛が増える、という仕組みのようです。抗がん剤が存在するおかげで昔より治療が優しくなった癌ですが、髪の毛が抜けてしまうという副作用を知っていて、使うの躊躇する人もいるそうです。
癌という病気は、がん細胞が体のどこかに発生することです。がん細胞というのは非常に活発に細胞分裂を行います。ガンを増やさないようにするためには、その細胞分裂を抑える必要があります。その細胞分裂を抑えるという役割を抗癌剤が果たしているのです。しかし、抗がん剤が働きを抑える細胞分裂というのはがんの細胞だけではありません。実は毛根にある毛母細胞も細胞分裂を活発に繰り返す部分の一つです。そのため、抗がん剤の細胞分裂を抑えるという作用の影響を強く受けてしまうのです。毛母細胞が細胞分裂を行わないと、髪の毛は新しく作られなくなってしまいます。それによって髪の毛はどんどんと抜けてしまうのです。
髪の毛はどれぐらいの期間抜け続けるのか?
抗がん剤を使用することによって髪の毛が抜ける仕組みについてはわかりました。しかし、一度使用して髪の毛が抜けてしまったらいつ生えてくるんだろう?と不安になる人も多いと思います。抗がん剤というのは投与してから2週間から3週間程度で抜け毛が始まります。そして、抗がん剤を使用している間はずっと髪の毛は抜け落ち続けるのです。抗がん剤の投与を終えてから1ヶ月から2ヶ月経つと、ようやく髪の毛は頭に生えてきます。しかし、これはまだ生え始めたばかりの髪の毛の状態なので、元通りの数の髪の毛が毛根が生え揃うのには、半年程度かかります。
抗がん剤によって髪の毛が抜けてしまった後のケア
抗がん剤を使用すると、どうしても髪の毛は抜けてしまいますが、そんな中でもなんとかケアをしていきたいですよね。しかも治療を終えれば髪の毛はちゃんと元に戻ります。そのため、抗がん剤を使った治療をするということが決まった時点で、事前に髪の毛を短く切るという方が多いようです。これはお医者さんからのアドバイスによってそうする方もいれば、自分で考えてそうするという人もいるようです。また、抗がん剤を投与している間は、シャンプーはしないほうがいいというふうに考えている人もいるようですが、それは間違いです。抗がん剤を使うことによって髪の毛が抜けるという副作用があることから、髪の毛にはあまり触らない方が良いという印象を持っているのかもしれません。
帽子によるおしゃれ
また、直接的なケアではありませんが、抗がん剤を投与されている間は、外出ができないというわけではありません。むしろ気分転換のために積極的に外出するべきです。しかし、自分の髪の毛が抜けていることがネックとなってなかなか人前に出たくない、という人も多いでしょう。そこでおすすめなのが帽子です。髪の毛でオシャレができない分、帽子をかぶることでおしゃれをして、外に出るのを楽しみましょう。抗がん剤によって治療をしている間は、帽子でおしゃれを楽しむ期間だと割り切るのがお勧めです。
具体的な頭皮のケア
髪の毛を短く切っておく
先程、抗癌剤を使う前にあらかじめ髪の毛を短く切ってしまう人がいるというお話をしました。髪の毛が長かったとしても短かったとしても、抗がん剤を使えば抜け毛を促進してしまうことに変わりはありません。しかし、考えてみてください。長い髪の毛が1本抜けているのよりも、短い髪の毛が1本抜けている方が、精神的なダメージが少ないと思いませんか?あらかじめ髪の毛を切っておくというのは抜け毛を発見したときの精神的なストレスを少しでも軽くするという目的があるのです。
シャンプー
シャンプーについても、やめておいた方が良いと感じる人が多いようですが、実はそんなことはありません。むしろシャンプーはこれまで通り毎日行うのがお勧めです。というのは、抗がん剤を使用することで髪の毛が抜けてしまうという現象は、頭皮のトラブルよってハゲてしまうものとは全く別だからです。頭皮をいつも通りに綺麗な状態に保っておくのは大切なことです。ただし、シャンプー剤に関しては普段通りのシャンプーではなく、毛母細胞の細胞分裂がなくなり、弱ってしまった髪の毛のために、刺激の少ないシャンプーで洗ってあげることをお勧めします。
頭皮を気づかう
髪の毛がどんどんと抜け落ちていき毛髪の量が減っているという状態は、頭皮が外部に晒される面積が増えるということも意味しています。慣れていればいいのですが、これまでずっと髪の毛が生えていて、外から守り続けられていた頭皮は、紫外線を照射されたり、激しい刺激を受けたりすると炎症を起こしてしまったりアレルギー反応を起こしてしまう可能性があります。そのため、できればシャンプーをした後のドライヤーなども高温で使うのではなく、冷たい方のモードを使用するべきです。また、ブラッシングをする際も、硬いものを使うのではなく、柔らかく先端に丸い玉がついているようなもので優しくブラッシングしてあげるのをお勧めします。抗がん剤の使用で髪の毛が抜けをしていってしまう場合は髪の毛それ自体よりも、頭皮を気遣ってあげてください。
抗がん剤の治療が終わったら
抗がん剤の治療期間が終われば、あとは髪の毛が生えてくるのを待つだけです。元に戻るまで半年と記載しましたが、できるだけ早く回復するために、より一層の頭皮ケアが必要になってきます。では、具体的にどのような方法で頭皮をケアしていけばいいのでしょうか?
シャンプーは優しく
せっかく毛根が新たに細胞分裂を繰り返し、髪の毛を生み出そうとしている状態なのに、それをあまり強い力でゴシゴシとシャンプーをしてしまうと、刺激が強くて毛根が潰れてしまう可能性があります。そのため汚れ落としたい気持ちはわかりますが、やさしくシャンプーしてあげるようにしてください。
育毛剤を使用する
最近では様々な育毛剤が販売されていますが、特に発毛効果が高いとされる。ミノキシジルやビデオキシジルキャピキシル、リデンシルなどといった育毛成分の配合されたものを使うのがおすすめです。シャンプーの後に1回と、朝起きた時に一回、合計1日2回ずつ使用していけば、髪の毛の伸びるスピードはアップするはずです。
まとめ
抗がん剤を使用する目的は、まず癌を治すことです。命にかかわることですので、髪の毛の事はある程度目をつぶらなければいけません。しかし、やはり髪の毛がどんどん抜け落ちてしまうというのは、精神衛生上も良くありませんので、抗がん剤の投与を始める前に髪の毛を短く切っておくことをお勧めします。また、投与が終わった時のために抗癌剤の使用中から髪の毛のケアを充分にしてあげるのが良いでしょう。
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