目次
そもそも「ビタミン」とは何か?
ビタミンという言葉は日常でよく耳にしますが、一体それが何なのか詳しく説明することができる人は少ないのではないでしょうか。まずは、ビタミンとは何なのかについて解説していきます。
体の潤滑油ビタミン
ビタミンは、たんぱく質やアミノ酸などのように、エネルギーの源になったり、筋肉や骨をつくるような成分ではありません。しかし、人が健康を保って成長し、その健康な状態を維持するためにとても重要な働きをしています。
つまり、ビタミンは栄養素と栄養素がうまく有機的に作用し合って働いてもらうための潤滑油のような役割をしているのです。一人の人間が体内で必要とするビタミンの量自体は少ないのですが、体の中でつくることができない成分なので、食べ物からとるしか増やす方法がありません。
水溶性ビタミンと脂溶性ビタミン
ビタミンには、2つの種類があります。「水溶性ビタミン」という水に溶けるビタミンと、「脂溶性ビタミン」という油脂に溶けるビタミンがあり、それぞれ性質が異なります。水溶性なのか脂溶性なのかによって、体への取り込まれ方や、代謝のされ方に違いが出てきます。
水溶性ビタミンは尿や汗などから体外へ排出されやすいため、体内に長時間留まりません。逆に脂溶性ビタミンは体の中に蓄積されやすいです。そのため、水溶性ビタミンは少ない量を多くの回数摂取する必要があります。また、脂溶性ビタミンは油と同時にとると吸収率が高まるので、一緒に食べる物が大切ということがわかります。
ただし、問題点がひとつあります。水溶性・脂溶性のどちらのビタミンでも、過剰摂取による弊害(副作用)がでることがありるのです。厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2015年版)」では、耐容上限量を設定しています。(これは「この量までなら摂取しても害のない量」のことで、摂取を推奨している量というわけではありません)。サプリメントや健康食品からの摂取については、利用目的や、摂取方法、摂取量にしっかりと注意して、使用する必要があります。
髪の毛に良いビタミンは?
ビタミンの種類はたくさんありますが、育毛という観点で見れば「髪に良いビタミン」を押さえておきたいところですよね。
それと同時に、たくさん摂ることで毛髪に悪い影響が出るビタミンというものも存在しますので、その知識も必要です。
そこで、摂れば摂るほど髪に良い効果が出るビタミン類と、摂りすぎることで悪影響が出てしまうビタミンをまとめました。
ビオチン
ビオチンは、 皮膚や髪の健康を維持してくれるビタミンです。ビタミンB7とも呼ばれます。
髪の毛を作るのに必要なアミノ酸の一つ、プロリンはコラーゲンを構成する成分のひとつです。
コラーゲンは髪の毛のツヤを出したり、太くしたりするもととなり、不足すると髪が弱くなってしまいます。丈夫で健康な髪を育てるためには、にコラーゲンは必須といえます。
ビオチンはアミノ酸の代謝を促す性質があり、コラーゲンの生成を助けるので育毛の観点では大切な栄養素なのです。
また、ビオチンは皮膚を健康に保つという役割も持っていますので、摂取することで頭皮を健康に保ち、育毛の効率アップの効果もあります。
薄毛の人はぜひとも抑えておきたいビタミンの代表ともいえます。
しかしこのビオチン、性質が水溶性なので多く摂ったとしてもすぐに排出されてしまいます。そのため数回に分けて摂取することが大切になります。
ビオチンの髪の毛への作用をまとめると下記のようになります
・毛髪および皮膚の健康を維持する
・髪の毛の寿命を伸ばす
・毛細血管を太くして血流を上げ、毛乳頭にとどける栄養の量を増やす
・頭皮(を含めた皮膚全体)の新陳代謝を活発化する
育毛目的でビタミン摂取を考えるならビオチンは最も重要です。
水溶性なので、過剰摂取による悪影響の問題はありません。
ビタミンB2・ビタミンB6
ビタミンB2は「発育のビタミン」とも言われ、お肌の細胞の成長を促すため、健やかな肌を保つために不可欠な栄養素です。ニキビや肌荒れなどの改善に使用されますが。それだけに限らず、眼精疲労や生活習慣病、ダイエットにも効果があります。
ビタミンB6は水溶性のビタミンBの1種で、ビタミンB2と同じく、ニキビやアトピーなどの肌トラブルに効果がある栄養素として使用されます。
ビタミンB2・ビタミンB6の髪の毛への作用をまとめると下記の通りです。
・毛母細胞の成長や分裂を促進する
・たんぱく質が髪に変化する働きを促進する
ちなみに、育毛を目的としたビタミンの摂取ではこのビタミンB2、ビタミンB6だけに注目されがちですが、ビタミンB群にはB1~B12までの種類がありますので、バランスよく摂ることが望ましいです。
過剰摂取による悪影響はありませんので積極的に摂取していきましょう。
ビタミンE
ビタミンEは、脂溶性ビタミンの代表として知られ、細胞膜や脂質の中に存在します。
老化の原因は、活性酸素が細胞を酸化させることですが、ビタミンEには、この活性酸素を中和・無力化する作用があります。その強い抗酸化作用が評価され、アメリカでは多くの人が、サプリメント等で体内に摂取しているそうです。
ビタミンEの髪の毛への作用をまとめると下記の通りです。
・血管の中をきれいに保つ
・頭皮の細胞を壊す過酸化脂質の生成を抑える
・血管を保護する
・血行を促進する
ビタミンEはビタミンCと一緒に摂ると効果が上がります。
髪の毛には良い働きばかりなのですが、脂溶性なので体に蓄積されると悪影響が出る恐れがあるため、過剰摂取には注意が必要です。主な副作用としては、皮膚のかゆみや、ほてり、むくみ、などがあり、あらに胃の不快感や頭痛なども引き起こします。また、過剰摂取で骨粗鬆症のリスクが高まるという研究結果もあります。
髪の毛に悪い影響が出るビタミン
一般的には「ビタミンは体に良い」と考えられていますが、過剰摂取がマイナスに作用するビタミンも存在します。それは脂溶性ビタミンです。尿として排出されないため、過剰に摂取すると体内に蓄積されてしまうビタミン群です。
育毛を目的としてビタミン系のサプリを服用する際は、ビタミンの含有量に注意しましょう。気をつけたいのは、ビタミンAです。
ビタミンA 摂りすぎると脱毛の原因にもなりかねません。
ビタミンAは不足すると頭皮の乾燥を招きます。つまり、他のビタミンと同じように体にとって必要なビタミンでもあるので、必要な量のビタミンAは摂取しなければいけません。
逆に過剰に摂取してしまうとどうなるのかというと、頭皮が硬くなってしまい、栄養障害を引き起こしてしましまいます。
これは、薄毛や、抜け毛、髪の毛が細くなるなどの原因となります。
簡単に言えば、過剰摂取による症状は脱毛なのです。これは注意が必要です。
ビタミンE
髪に良いビタミンとして紹介したビタミンEですが、摂りすぎると胃の不快感や頭痛を引き起こします。
髪に影響が出たり、脱毛を引き起こしたりするわけではありませんが「髪に良いから」と過剰に摂取すると体調を崩す可能性があるので注意が必要です。
ビタミンを摂取できる食材
薄毛対策に良いビタミン豊富な食べ物6選
それぞれのビタミンは、野菜や果物など、どんな食材に含まれているのか気になりますよね。 ここで、薄毛や抜け毛に効果的なビオチン・ビタミンB2・B6・Eが含まれる食材をご紹介したいと思います。
レバー
レバーはビタミンが豊富に含まれているため、「ビタミンの宝庫」と呼ばれています。 50グラムの摂取で、大人が一日に必要なビタミンAとビタミンB2が摂取できてしまいます。ビタミンAや、ビタミンB2以外にも、髪の毛に良い成分としてタンパク質や鉄分も含まれているので、髪の毛にとって優秀な食材です。ただし、上記で触れたようにビタミンAは過剰摂取で脱毛を促進させる恐れがあるため、適度な摂取がオススメです。
大豆
大豆には、ビタミンの中でも特に髪の毛に良いビオチンが含まれています。
また、大豆に含まれるイソフラボンは女性ホルモンに近い働きをして、AGAの原因である男性ホルモンの分泌を抑えてくれるので、薄毛や抜け毛の予防にもつながります。
植物性の油
オリーブオイル・ひまわり油・なたね油などの植物性の油には、ビタミンEが多く含まれています。
また、ビタミンEはナッツ類や、たらこといった魚の卵からも摂取できますので、料理などから幅広く摂取しやすいビタミンだと言えます。
食材以外のビタミン摂取方法
ビタミン剤
サプリメントからの摂取が、狙いを定めやすく効果的です。
価格が高くなってしまうのがデメリットではありますが、最近では比較的安価なものも販売されていますので、自身の食生活を見直して、不足しているビタミンがあればピンポイントでサプリメントから摂取すると良いでしょう。
育毛剤
育毛剤の配合成分にもビタミンが含まれている場合が多いです。
特に、ビオチンとビタミンB6はよく育毛剤に配合されていますので、商品を選ぶ際には、その成分を意識してみてください。
適切な量をバランスよく摂取したいビタミン群
いかがでしたでしょうか。
特定のビタミンが髪の毛に良いということがわかりました。ただし、過剰摂取で脱毛や体調不良を起こす種類のビタミンもあるので注意が必要です。規定量を超えて摂取しても、あまり良いことはないので、バランス良く摂取することを心がけましょう。
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