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ノコギリヤシは摂りすぎてはいけない?
「医薬品ではないけれど育毛効果のある食品」というと、特にノコギリヤシを思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。ノコギリヤシは、そのまま食べるとよりは、サプリメントにノコギリヤシエキスが配合されていて、それを服用するという形の摂取の仕方が一般的です。しかし、このノコギリヤシを取りすぎると副作用が出る可能性があるといううわさがあります。これは本当なのでしょうか?この記事で検証していこうと思います。
ノコギリヤシとは
インディアンにはハゲが少ないと言われています。これはただの都市伝説ではなく、実際に薄毛の割合を調べたデータによると、ネイティブアメリカンの中における薄毛の割合はわずか1%アメリカ人の薄毛の割合は39%だったそうです。39倍という実に大きな差が生まれています。これは一体なぜなのでしょうか?「そもそも人種が違うから体質の問題でハゲにならない」と考える方もいると思います。実際その違いというのも薄毛率になって現れている部分もありますが、「ネイティブアメリカンが都会へ出てきて食生活変わるとそのネイティブアメリカンの中でハゲる人が出てきた」というデータもあります。つまりネイティブアメリカンの食生活の中にハゲない秘訣が隠されているのです。
そして本格的に調査を始めた結果、インディアンの食べている食品の中でノコギリヤシというものに薄毛の予防効果があるということが分かったです。ノコギリヤシは主にアメリカ北部に生息するヤシ科のハーブの一種です。
ヤシの中でも、特徴的なノコギリ状の葉っぱをしているのでこの名前が付けられています。もともと、北アメリカのインディアン達はノコギリヤシの実を、男性向けの滋養強壮のために食用として用いてきました。また、中国でも古くから泌尿器科系の漢方薬として使用されていました。そのため現在、ノコギリヤシのサプリメントには育毛というより「前立腺の肥大に効き目がある」「頻尿改善の効果がある」という形の売りだし方をされているものが多いです。
ノコギリヤシの育毛効果
ノコギリヤシには髪の毛を新たに生やす力ではなく、今ある髪の毛を抜けないように定着させる、という力があります。男性型脱毛症の最も大きな原因はジヒドロテストステロンの過剰分泌です。これは毛根を刺激して脱毛を加速させたり、岸を過剰に分泌して毛穴に詰まらせたりと髪の毛にとっては非常によくない働きをする悪玉ホルモンです。ではこのジヒドロテストステロンはどうやって作られるのかというと男性ホルモンであるテストステロンと5αリダクターゼという還元酵素が結合して作られます。男性ホルモンが多い人はハゲやすいというのはこの5αリダクターゼと結びつくテストステロンの量が多いからということになります。
ノコギリヤシに含まれる成分の中にはこの5αリダクターゼを抑制する作用が含まれています。5αリダクターゼがキルトそれに伴って生成されるジヒドロテストステロンの数が減り脱毛の数を減らすことができるのです。また、ノコギリヤシには頭皮の炎症を予防する効果もあります。炎症を起こす主な原因であるLTB4という物質があるのですが、ノコギリヤシの成分はこのLTB4を抑えてしまうのです。そのため炎症を予防するという作用と5αリダクターゼを抑制するという2つの作用によってノコギリヤシの摂取で薄毛を予防できるのです。
副作用のないプロペシア
5αリダクターゼの抑制という作用を聞いて、育毛に関して少し詳しい方だとプロペシア思い浮かべるのではないでしょうか。プロペシアは数年前からよく育毛剤としてAGAクリニックなどで処方されるようになった医薬品です。その効果が非常に高いことから、芸能人などもクリニックでプロペシアを処方してもらい、治療をしたりしています。プロペシアが登場するまでは育毛剤や育毛の治療というのは気休めが半分のようなものでしたが、プロペシアの登場によって、本当の意味で薄毛が改善できるようになったと言っても過言ではありません。
しかし、育毛効果の高いそのプロペシアの大きな弱点が、副作用なのです。めまいや頭痛、吐き気といった軽度の症状から男性機能の低下といった重篤な症状までが報告されています。さらに、女性が使用すると生まれてくる子供が奇形になってしまう可能性まであり、「育毛効果は高いけれどその分副作用が怖い薬品」というイメージがあると思います。そんな諸刃の剣であるプロペシアと同じ効果がある食品がノコギリヤシなのです。
プロペシアは医薬品ですので様々な副作用の危険性がありますが、ノコギリヤシは天然由来の成分ですので基本的に副作用というものはありません。5αリダクターゼの抑制という効果から、男性機能が低下してしまうのではないかという心配があると思いますがそこの部分も心配は要りません。むしろ、インディアンは滋養強壮として使用していた植物なので、男性機能については向上すると考えても良いでしょう。そのためプロペシアと同じ働きをする上に副作用についてはプロペシアの逆方向に働く。そのような食品がノコギリヤシなのです。
ノコギリヤシを摂取し過ぎた場合の危険性
どのような食品であっても摂取しすぎれば何らかの体調不良を引き起こします。水でも飲みすぎれば毒になりますし、酸素も吸いすぎれば人は死んでしまいます。それと同様に、全ての食品も適度な摂取量というものがあり、それを大きく超えてしまうと体にとって毒になってしまいます。
吐き気や嘔吐
ノコギリヤシを過剰に摂取することにより、稀に吐き気や嘔吐を起こす人がいます。ホルモンに影響する食品なのでそのような副作用があるのかもしれません。
腹痛
ノコギリヤシは、植物の中でも脂質が多く含まれています。そのため服用するタイミングが悪いと胃に負担がかかってしまうことがあります。それによって胃が荒れて腹痛を起こしてしまうのです。特に食前の胃が空っぽの状態でノコギリヤシを服用すると危険が高いので、できれば食後にノコギリヤシは摂取するようにしましょう。
便秘
本来ノコギリヤシには便秘改善の効果も期待されています。しかし、どういうわけか、ノコギリヤシを摂取したのに逆に便秘になってしまう方がいるようです。これはやはりホルモンバランスが変化して排泄のリズムが変わってしまったことが原因なのかもしれません。
下痢
便秘の副作用があるとおい伝えしましたが、下痢という報告もあります。結果は反対ですが、原因は同じでホルモンバランスが乱れたことにより、お腹がゆるくなってしまったのでしょう。また、単純に同じ食品を過剰に摂取しすぎたことによって下痢になってしまう場合もあるので、あまり大量にノコギリヤシは摂取しない方が良さそうです。
ノコギリヤシと合わせて撮りたい成分、亜鉛
これまで説明してきたように、ノコギリヤシ含まれる育毛成分は「髪の毛が抜けることを予防する」という効果はありますが、「新たに髪の毛を生やす」という効果はありません。そのため同時に摂取するならば新たに髪の毛を生やす、発毛の効果がある食品がお勧めです。
そのような効果のある代表的な成分が亜鉛です。髪の毛の99%はタンパク質で構成されています。しかし、タンパク質がそのまま髪の毛になるわけではありません。例えば、肉を食べてタンパク質を摂取した場合、肉に含まれているタンパク質が、そのままでは髪の毛にはならず、亜鉛の働きによって「ケラチンたんぱく質」へと再構成されるのです。ケラチンタンパク質に再構成されたものが、髪の毛の成分として毛根に届くのです。
そのため、たくさんタンパク質を摂取したとしても亜鉛が不足していると髪は成長しません。そして亜鉛は日本で不足しがちな成分の代表としても挙げられています。そのため積極的に摂取することによって他の人と差をつけることができるかもしれません。ちなみに、亜鉛は5αリダクターゼの抑制作用も若干ながらありますので、ノコギリヤシのもつ作用をサポートしてくれる効果もあります。
ノコギリヤシだけでは薄毛治療としては弱い
ここまでノコギリヤシの育毛作用や、過剰摂取してしまった場合の副作用、また同時に摂取したい成分等についてお伝えしてきました。しかしこれは、あくまでも一般的に摂取できる天然由来の成分での治療です。実際にインターネットなどを見てもノコギリヤシだけで、薄毛が改善されたという話はほとんどありません。本気でハゲを治したいと思うのであれば育毛剤を使用したり、スカルプローションを使用したり、薄毛治療のクリニックに通院したりといった治療をしながら、日常生活の中でサポートとしてノコギリヤシを摂取するのがお勧めです。
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