AGAの専門クリニックに行って処方してもらう育毛剤の代表的なものにプロペシアがあります。プロペシアは数年前に「飲む育毛剤」としてメディアでも取り上げられ大変話題になったものです。しかしこのプロペシア、服用して一度薄毛が治ったとしても、服用をやめた途端にまたハゲてしまうという話をよく聞きます。つまり、再びハゲてしまうのが嫌なら死ぬまでプロペシアを飲み続けなければいけないということです。これは本当なのでしょうか。この記事で検証していきます。
目次
プロペシアとは？
プロペシアはフィナステリドという成分をメインにした薬品です。ノコギリヤシのエキスに男性型脱毛予防する作用があるということで、研究が始まり、生まれたのがこの薬です。薄毛の治療薬として、世界の60ヶ国で認証され、日本では2005年に厚生労働省が認可をしました。この頃TVで、爆笑問題さんが「薄毛の治療は病院へ」というCM をしていたのをご存知の方も多いのではないでしょうか。このプロペシアの登場によって、これまではほとんど気休め程度の効果しかなかった育毛剤の業界に希望がさし、多くのAGA患者がプロペシアを使用して薄毛を治療してきました。
ちなみに、プロペシアは保険適用外の薬品になるので経済的な補助を受けることはできません。そのため、価格は少し高めに設定されています。1日一回の服用になります。
プロペシアの薬理的作用
男性型脱毛症の原因はそのほとんどがジヒドロテストステロンという悪玉ホルモンです。この悪玉ホルモンは頭皮に炎症を起こしたり毛根を直接攻撃したりすることによって脱毛を促進してきます。薄毛を改善するためには、まずこのジヒドロテストステロンを何とかしなければならないのです。ジヒドロテストステロンは、男性ホルモンであるテストステロンと、5αリダクターゼという還元酵素は結合することによって作られます。プロペシアが作用するのはこの中の5αリダクターゼという酵素です。プロペシアの主成分であるフィナステリドは5αリダクターゼの生成を抑制します。結果的にテストステロンと結びつく5αリダクターゼの数が減るので体内で生まれるジヒドロテストステロンの数も減少し脱毛予防できるのです。
プロペシアの臨床実験データ
プロペシアには、日本国内で行われた、薄手の男性を被験者にした臨床実験結果のデータがあります。
そのデータによると、プロペシアを1年間使用した人の頭皮の予想観察すると、58％の被験者の薄毛が改善され残りの42％のうちの40％の被験者の薄毛の進行がストップしたそうです。
つまり、被験者の中で薄毛が悪化したのはわずか2％という結果になったのです。
さらにそこから2年間。追加でプロペシアを使用し続けた結果．つまり、3年間プロペシアを薄手の被験者が使用し続けた結果、78％の人の薄毛が改善され、残りの22％のうち20％の人の薄毛は進行しませんでした。
ここでも薄毛が悪化したという人の割合は2％で変わりませんが、薄毛が改善されたという人の割合は20％も増えています。
この結果から分かるのは、プロペシアを1年間使用すれば半数以上の人の薄毛は改善され、少なくともほとんどの人の薄毛はそれ以上進行しないということがわかります。ただ、本当にわずかな割合ですがプロペシアが効かないという体質の人もいるようなので、その見極めが重要となってくるようです。
プロペシアは男性型脱毛を根本的に治療するわけではない
先ほどお伝えしたように男性型脱毛症の原因はジヒドロテストステロンという悪玉ホルモンです。プロペシアは、服用することによってそのジヒドロテストステロンの生成を一時的に抑えることは可能ですが、その効果がずっと続くわけではありません。あくまでも服用している期間その作用があるというだけです。そのため服用し続けなければ効果は現れませんので、1回服用しただけでハゲが治らなかったという人は使い方が間違っています。
一部の人の間ではプロペシアは服用をやめた途端に一気に禿げる副作用があると考えてる人もいるようですがこれも間違いです。ただ単にプロペシアを服用しなかった時の状態に戻っただけということが言えます。
ということはやはりプロペシアを使用して薄毛が治療された方はハゲたくなければ一生プロペシアを服用し続けなければいけないのでしょうか。実は、これも少し誤解があるのです。それについてはまた後ほどご説明します。
プロペシアによって効果が出るまでの期間
プロペシアの服用をやめるタイミングを考える前にまずは、プロペシアによって薄毛が改善されるまでの期間を考えてみましょう。
プロペシアに限らずこういった育毛剤関係全てにいえることですが、長期的な目線で考えていくことが必要になります。なぜなら、髪の毛にはヘアサイクルというものが存在し、そのサイクルが切り替わるには数ヶ月の期間が必要だからです。
ヘアサイクルには、成長期という。髪の毛が巣立っている期間と、退行期という髪の毛の成長が止まり、抜けるのを待つ期間と、休止期という。髪の毛が抜け落ちたとまた新たに毛が生えてくるまでを待つ期間があります。
薄毛の治療は髪の毛が抜けてしまい、今生えていない場所から髪の毛を生やすという作業になるので、休止期の毛根を成長期に切り替える必要があります。休止期の期間はおよそ3ヶ月とされているために、少なくとも育毛始めてから3ヶ月間は効果が出るまで待たなければいけないのです。
また、髪の毛は新たに生えてきた段階では産毛の状態です。産毛というのは普通の紙に比べて成長が非常に遅く1ヶ月かけて1ミリ程度しか伸びないと言われています。そのため、毛根が休止期から成長期に切り替わり、産毛として生え出して頭皮の表面に顔を出すまでには更にもうしばらくの時間が必要になります。
そのため、プロペシアを服用し始めてから結果が出るまでの期間は目安としては半年ぐらいを考えておくのが良いでしょう。半年たって全く効果がないようであれば別な育毛方法に移るのもありです。
逆に、それよりも短い期間で「効果がないから」と服用を辞めてしまうのはそれまでにかけてきた費用が無駄になってしまうのでもったいないです。
プロペシアの服用をやめる時期
プロペシアを継続的に服用し、納得のいく状態まで髪の毛の状況が回復したら、プロペシアの服用をやめることを視野に入れていきましょう。
ということは、プロペシアの服用をやめる時期というのは、つまり、この状態なら大丈夫と自分が納得した時期のことです。何ヶ月間とか何年間といった明確な期間はなく、納得した状態になるタイミングは人それぞれ違います。
プロペシアを辞めた後は？
前述のようにただ単に今まで飲んでいたプロペシアを辞めてしまうだけだと元の薄毛の状態に逆戻りしてしまう可能性が高いです。
ですので、ただプロペシアをやめるのではなくそれ以外の部分で髪の毛の現状維持をしていくための工夫が必要です。
そのための方法をいくつかご紹介します。
塗るタイプの育毛剤
現在は、様々な育毛成分の配合された。育毛剤が販売されています。その中には、数年前では考えられなかったほどの育毛作用を持つ成分もあるので、そう言った育毛剤に切り替えるのがお勧めです。
育毛サプリ
髪の毛の成長に必要な成分をサプリメントによって摂取するという方法もあります。例えば、ノコギリヤシや亜鉛ビタミンB 群などです。特にノコギリヤシは、プロペシアのように5αリダクターゼを抑制する作用があるので、お勧めです。
育毛シャンプー
育毛に効果のある成分の配合されたシャンプーが販売されています。また、これらは洗浄成分が、頭皮に優しいもので作られていることがほとんどなので、頭皮に必要な油分や水分まで洗い流してしまうことがなく余計な脱毛を防止してくれます。
まとめ
いかがでしたでしょうか。プロペシアを使用して薄毛が改善できたらその後は、塗るタイプの育毛剤を塗布したり育毛サプリを服用したり育毛シャンプーで髪を洗うなどの方法で回復したその状態を維持するように努めてください。
プロペシアは効果が高い分価格も高いですし、また副作用の心配もあるので、必要以上に長期間使用するのはあまりお勧めできませんのでできるだけ早い段階でここに書いたような治療方法に切り替えるのが望ましいでしょう。
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